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第1回:ファインペーパーという世界【ヴァンヌーボという紙を、印刷で深く知るシリーズ】

こんにちは。スバルグラフィックのMIYUです。デザインの打ち合わせで「紙の質感にもこだわりたい」というお話を伺う際、候補として必ずと言っていいほど名前が挙がるのが「ファインペーパー」です。今回の連載は【ヴァンヌーボという紙を、印刷で深く知る】シリーズ。私自身も日々現場で向き合い、その奥深さを学び続けているこの紙の正体について、皆様と一緒に丁寧に見つめ直していきたいと思います。

そもそも「ファインペーパー」ってどんな紙?

ファインペーパーとは、独特のテクスチャーや豊富な色数など、紙そのものが持つ素材感を表現の一部として活かすために設計された用紙の総称です。1899年創業の紙専門商社である竹尾さんが、その開発や普及を長年リードしてきました。私たちが普段よく目にするコート紙などは「一般紙」と呼ばれ、効率よく大量に刷ることを目指して作られています。それに対し、ファインペーパーは「特殊印刷用紙」というグループに属します。
商社さんによって「ファンシーペーパー」と呼ばれることもありますが、どちらも紙の表情そのものを大切にしているという共通の価値を持っています。
ただ、素材や製法にこだわりが詰まっている分、お値段は一般紙と比べると少し高めです。それでも多くの方に選ばれ続けているのは、代わりが務まらない理由があるからだと考えています。

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ファインペーパーが選ばれる理由

なぜ、あえてファインペーパーが選ばれるのでしょうか。まず大きいのが、指先から伝わる質感です。
例えば、非塗工で素朴な質感を持つ「アラベール」などは、手にした瞬間に伝わる温かみが最大の特徴です。こうした手触りは、受け取る方の心理にも影響を与えます。
しっかりとした厚みや独特のテクスチャーは、作り手の「誠実さ」や「こだわりの姿勢」を直感的に伝えてくれるのです。視覚だけでなく触覚を通じて信頼感を育みたい場面で、欠かせない存在になっています。

ヴァンヌーボが象徴する“風合いと印刷の両立”

個性豊かなファインペーパーの中でも、一つの「指標」として愛され続けているのが「ヴァンヌーボ」です。
かつては「紙の質感を大事にすると、インクが染み込んで発色が沈んでしまう」という課題がありました。そこにフランス語で「新しい風(Vent Nouveau)」を意味するヴァンヌーボが登場し、新しい可能性をもたらしたのです。
紙本来の豊かな風合いを大切にしながら、写真やイラストを鮮やかに再現できるこの紙は、理想を形にするための心強いパートナーといえます。

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ヴァンヌーボは、実は「ラフ・グロス®」というカテゴリーに属しています。
次回はこの不思議な仕組みについて、深く紐解いていきたいと思います。

🗒 MIYUのひとこと 
「紙そのものが表現の一部になる」ということを、私に一番強く意識させてくれたのがヴァンヌーボでした。素材の選び方ひとつで、ここまでビジュアルの伝わり方が変わるのかと、今でも向き合うたびに新鮮な発見があります