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第3回:紙質が変わっても起きる「色の変化」

こんにちは!スバルグラフィックのMIYUです🌷 これまで2回にわたり、PP加工で色が濃くなる科学的な理由「濡れ色現象」について解説してきました。 前2回の検証はコート紙で行いましたが、今回は質感が変わると結果がどのように変化するかを調べるため、マット系(ニューVマット)と塗工紙ラフタイプ(b7トラネクスト)でもテストを行いました😎

全紙種共通で起きる中間調のドットゲインの変化

今回の検証で、用紙の種類に関わらず、すべての紙種において「中間調のドットゲイン」が共通して大きく変動しました😎
用紙による差はそれほど大きくない一方で、全体として明度(L*値)が低下し、色が一段階「暗く」沈む傾向が顕著に現れました。なかでもブラック(K)は暗く沈み込む傾向が最も強く、これが全体のコントラストを強め、仕上がりを重厚に見せています⚒️ 
あわせて、数値上でも赤み(a値)と黄み(b値)が劇的に上昇する傾向が確認されました。用紙にかかわらず「全体的に暗く沈み、黄みと赤みが強くなる」という事が証明されました🌷 

中間調のドットゲイン・Lab値の変化表

用紙 L* a* b* ドットゲイン
コート紙
(OKトップコート)
C やや減 やや減 大幅増
M 大幅増 ほぼ変化無 大幅増
Y ほぼ変化無 やや減 大幅増 大幅増
K 大幅減 ほぼ変化無 ほぼ変化無 大幅増
マット紙
(ニューVマット)
C やや減 やや減 大幅増
M 大幅増 ほぼ変化無 大幅増
Y ほぼ変化無 やや減 大幅増 大幅増
K 大幅減 ほぼ変化無 ほぼ変化無 大幅増
塗工紙ラフ
(b7トラネクスト)
C やや減 やや減 大幅増
M 大幅増 ほぼ変化無 大幅増
Y ほぼ変化無 ほぼ変化無 大幅増 大幅増
K ほぼ変化無 ほぼ変化無 大幅増

変化を計算に入れた「逆算の設計」へ

今回の検証により、紙の種類を問わず「PP加工を施せば、赤み(a*値)は強烈に増す」という法則が裏付けられました。 これは特定のインキや機械の問題ではなく、光の屈折率と吸収のメカニズムが生み出す、避けて通れない現象です⚒️
では、この避けられない変化を、プロはどのようにコントロールしているのでしょうか。次回は、狙い通りの色に着地させるための「逆算の技術」についてお伝えします🌷

次回予告 第4回:理想の色を「逆算」で再現。引き算とシミュレーションの力