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失敗しない光沢加工!PPフィルムは紙より小さい?貼られない範囲と設計のコツ

こんにちは!
スバルグラフィック直販課のMIYUです🌷(入社2年目/24歳)

今回の「光沢加工シリーズ」第4回では、
「PP貼りって、紙の端っこまでカバーされてると思ってない?」
という、ちょっと意外だけど超大事なポイントをお伝えします!

PPフィルムは紙のサイズより小さくできてる!🧷

まず知っておいてほしいのが、PPフィルムは紙と同じサイズではないということ。

実は、PP貼りに使うフィルムは紙より小さく設計されていて、
たとえば進行方向の左右には、それぞれ6.5mm程度のマージンが必要なんです。
この赤いエリア(イラスト参照)は、そもそもPPが貼られない範囲なんです👇

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紙の端まで絵柄を入れるとどうなる?⚠ 

この“貼られないエリア”に、もし写真や背景色などの絵柄がかかっていたら…?

→ PPで保護されない部分が露出して、加工時にトラブル発生⚡

とくにこんなケースが要注意です👇
• 抜き加工でフィルムが浮く・めくれる
• 箔押し後にフチが剥がれてくる
• 「グロスPPなのに、フチがマットっぽい…?」←PPが貼られてなかった!
 

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↑この写真の黄色い部分にフィルムが貼られるよ!


なぜ貼られないの?その理由は…🌀

その理由は大きく2つ!

① そもそもPPフィルムは紙より小さい!
貼り機の仕様上、フィルムは進行方向の左右に“貼られない領域”を残して設計されています。
だから紙のフチまで物理的にフィルムが届かないんです。

② 紙を重ねて通すから、クワエ部分にも貼られない!
PP貼りのときは、紙を1枚ずつではなく束で重ねて通していくため、
紙同士が重なっているクワエ側から11mmくらいの部分には、PPが届かず、ここも貼られません!

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↑紙と紙が重なってフィルムが貼られるよ


 印刷とPP貼りで、紙の流れる方向が違う!📏

さらに注意しておきたいのが、印刷とPP貼りでは、紙の搬送方向が90度変わるということ。
たとえば菊全サイズの用紙では、印刷は横方向(短辺送り)ですが、PP貼りの機械は縦方向(長辺送り)でしか通せないんです!
これってつまり、
印刷のときに“クワエ”だった部分が、PP貼りでは“ヨコの端”に来るってことなんです💡
 
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だから、
  •  クワエ11mm → 紙の一部が重なってるので貼られない
  • 左右6.5mm → フィルムの仕様で物理的に貼られない
 という「フィルムが貼られない範囲」が、PP貼り方向で固定されるんですね。

やるべきコト、まとめてみたよ!

この問題を防ぐために、わたしたちがやるべきことは👇
 

1. 紙の端っこギリギリまで絵柄を入れないこと!
→ 安全マージンとして、左右6.5mmとクワエ11mmは絵柄を避けよう!

2. 少し大きめの紙を使うこと!
→ A判よりも菊判を選ぶと、PP貼りのマージンが確保しやすくて安心♪

3. 印刷とPPの“貼る向き”にも注意!
→ 菊全判では、印刷が横向きでもPPは縦向きに貼られるので要チェック!

4. 加工屋さんや製版チームとしっかり連携すること!
→ 面付け・大貼り・加工設計段階で「ここに絵柄入れても大丈夫?」と確認するのが◎

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最後にひとこと💬

印刷の仕上がりって、紙やデザインだけじゃなくて、「どこまでPPフィルムが貼れるのか」まで考えられているかどうかで、仕上がりに差が出るんです。

わたしも最初は「フィルムって全体に貼れるんじゃないの?」って思ってたけど、
実際の現場では、貼られない範囲があることを前提に設計するのが“お約束”。

デザイナーさん・製版・営業・加工チーム、みんなで協力してこそ、「仕上がりがキレイでトラブルのない紙製品」がつくれるんだな〜と実感してます😊


次回は、PPの後の世界「PP貼りだけじゃない?光沢+αの後加工」についてご紹介する予定です!
ではでは、またね〜!MIYUでした🌈👋