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第1回:PP加工で色が濃くなるのはなぜ?網点の太りと視覚の不思議

作成者: スバルグラフィック|2026.4.16

こんにちは!スバルグラフィック直販課のMIYUです🌷
今回から新しい連載シリーズ【PP加工の落とし穴と解決策】がスタートします。
印刷物の表面を保護し、高級感を出してくれるPP加工ですが、仕上がった製品を見て、刷り上がりより色が赤っぽくなった、あるいは全体的に色が濃く沈んで見えると驚いたことはありませんか。
実はこれ、印刷現場では古くから知られる避けて通れない現象なのです。第1回となる今回は、その謎の入り口を覗いてみましょう😎

 

PP加工前後の比較:網点は変わらないのに、なぜこれほど色が違うのか

お客様からPPを貼ったら色が沈んでしまったというご相談をいただくことは少なくありません。実際に加工前の刷り上がり状態と加工後の完成品を並べて比較すると、その差は一目瞭然です。一見すると、ベタ濃度が上がり、全体的にボリュームアップしたように感じられます。特にマゼンタが強く出ているように見え、人の肌の色などが不健康に赤らんで見えてしまうこともあります。

上:PP加工前、下:PP加工後

オフセット・デジタル印刷、方式を問わず発生する避けて通れない現象

この色の変化は、伝統的なオフセット印刷でも、最新のデジタル印刷でも、表面にフィルムを貼る以上は必ず起きる現象です。あまりにも確実に色が動くため、熟練の職人が揃う現場では、あらかじめマゼンタなどの濃度をコンマ1、網点にして約3%ほど下げて、あえて薄めに調整して刷るという高度な制御が日常的に行われています⚒️

実際に、当社の現場で濃度計を使って測った、C・M・Y・Kそれぞれの変化がこちらです。 

  C M Y K
PP加工前 1.54 1.45 1.30 1.78
PP加工後 1.56 1.48 1.35 1.81

電子ルーペで検証:網点(ドット)の形状は太っていない!

色が濃く見えるのは、インキが熱や圧力で広がったからではという疑問を解消するため、私たちはマイクロスコープ(電子ルーペ)を使って、網点の状態を詳しく観察しました。その結果、ドットの一つひとつの物理的な形状やサイズは、加工前後で全く変わっていないことが確認されました✨

左:PP前、右:PP後

しかし、同時に精密な測定器でドットゲイン(網点の太り)を算出したところ、非常に興味深いデータが得られました。
今回の検証では、すべての色において、50%付近の中間調が10〜12%程大きく上昇していることが確認されました。これは特定のインキだけの問題ではなく、PP加工を施すすべての印刷物に共通して起きる現象です。

分光濃度計でドットゲインを測定すると12%も太っていた!なぜ?

ドットが物理的に太っていないのであれば、なぜ測定器や私たちの目には、これほどまでに網点が太ったと判定されるのでしょうか?その原因は「濡れ色」
次回、その科学的なメカニズムに迫ります🌼 

次回予告 第2回:なぜ?PP加工で色が濃く見えるヒミツ:科学でわかる「濡れ色」の仕組み