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UV印刷の背割れ

UV印刷の背割れとは?

絵柄が濃い表紙や、擦れ防止、乾燥時間の短縮を狙ってUV印刷がよく選ばれますよね。印刷の仕上がりはとても美しいのですが、製本の段階で「背割れ」という厄介な問題が起きることがあるんです。特に、折り加工や製本時に、この背割れが発生してしまうことが多いです。

 
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背割れの原因

実は、背割れはUV印刷だけでなく、油性インキを使った印刷でも発生することがあります。しかし、UVインキには独特の特性があり、油性インキよりも背割れが目立ちやすくなります。具体的には、折り曲げたときにインキの皮膜が割れてしまい、下地の紙が見える、という現象が起こります。
 
では、なぜUV印刷で背割れが起こりやすいのでしょうか? 主な原因を以下にまとめてみました。

背割れが発生する主な原因

インキの硬さと乾燥方式

UVインキは紫外線を使って乾燥させるため、乾燥後のインキが非常に硬くなります。この硬さが原因で、折り曲げた際にインキの皮膜が割れやすくなります。硬くなったインキは紙の動きに対応できず、折り目で破れてしまい、下地の紙が見えてしまいます。
 

インキの浸透の浅さ

油性インキは紙にある程度浸透しますが、UVインキは紙の表面で固まるため、浸透が浅くなります。その結果、紙とインキがしっかり馴染まず、折り目で割れやすくなります。
 
これらの要因が重なり、特に折り目の部分で背割れが発生しやすくなります。インキが紙の表面で固まっているため、折ったときにインキの層が壊れ、紙の白い部分が露出してしまうのです。

背割れ防止策

背割れを防ぐ方法はいくつかありますが、代表的なものを2つご紹介します。
 

油性インキでの印刷

油性インキは、柔らかい皮膜が特徴で、折り曲げても割れにくいんです。さらに、紙にしっかり浸透するので、背割れが発生してもあまり目立ちません。ただし、UV印刷のように乾燥が早くなく、擦れ防止などの面でも手間がかかることがあるので、その点は考慮が必要です。
 
 
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スジ押し加工の活用

スジ押し加工とは、折り目にあらかじめ筋を入れておくことで、インキの皮膜が割れにくくなる技術です。この方法を使えば、表紙なども折りやすくなり、背割れを防ぐ効果が期待できます。結果として、見た目もきれいに仕上がりますよ。

スバルグラフィックのおすすめ背割れ解決法 

UV印刷を行いながら、どうすれば根本的に背割れを防げるのでしょうか?
 
UV印刷の利点である「短納期」や「耐摩擦性」などメリットを活かしつつ、背割れを防ぐためのベストな方法として、
スジ押し加工を施したうえで製本することをおすすめします。
通常、スジ押し加工は「型抜き」工程と似た方法で行われます。まず、展開図に合わせて成形した刃(トムソン刃)をベニア板に組み込み、木型を作成します。そして、その木型を使って平版打ち抜き機(オートン)で紙を1枚ずつ加工していく方法です。この方法は「ビク抜き」とも呼ばれています。
 
ですが、スバルグラフィックのスジ押し加工はひと味違います!
 
スバルグラフィックでは、オートン・ビク抜きなど一般的なスジ押しとは異なる方法で加工を行い、より効率的で精度の高いスジ押しを実現しています。

スバルグラフィックのスジ押し設備の特徴

スバルグラフィックでは、CRF-362というスジ押し専用の設備を使用して加工を行っています。
この機械は、厚手の用紙に対してスジ押しと折り加工をワンパスで実現できる優れもの!
特に、UV印刷後の折り加工にも最適で、背割れ・ひび割れをしっかり防ぎます
 
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スジ押し・折り加工が簡単にできる!

メニュー、ショップカード、スタンプカード、招待状、グリーティングカード、ラミネートされた用紙や、くるみ製本の表紙など、厚手の用紙に対してスジ押しと折り加工が可能です。デジタル印刷やコピー用紙でも、折り目の背割れやひび割れを防ぎ、美しい仕上がりに。
 

高品質な製本をサポート

特に、製本に使用する厚手の表紙にスジ押しをすることで、シャープな角が出る綺麗な製本ができます。くるみ製本や雁垂れ製本など、さまざまな製本用途に応じて筋入れが可能です。
 

折り加工がスムーズ!

大径の折りローラーを採用しているため、厚紙の折りもスムーズに行えます。さらに、スジ入れ後に折るので、折り目がひび割れず、美しい仕上がりになります。
 

コストダウン&納期短縮

型を作成する必要がなく、スムーズに加工できるため、コストも抑えつつ、納期の短縮も実現できます。
 

最大10本までのスジ入れが可能!

数値入力で簡単に設定でき、技術スキルに依存せずにスピーディーな加工が可能です。
 

折り機と同じフロアで同時運用

折り機と同じフロアに設置しているため、刷本を横持ちする必要がなく、製本作業も同時に進められます。これにより、さらなるスピードアップが実現します。
 

長さ865mmまで対応可能

A4観音折などの長尺ものも問題なく対応でき、様々な用途に活用できます。
 

スジ方向のデジタル設定が可能!

1本単位でスジの凹凸をデジタルで設定でき、ジャバラ折などの複雑な折りにも対応可能です。
 
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背割れ防止のためのスジ押し加工方法

スジ押し加工は、紙を凹型と凸型の間に挟み、圧力をかけて筋を作る技術です。背割れを防ぐためのポイントは、外側(印刷面)に凹みを作ることです。
これによって、折った際にインキの皮膜が割れにくくなり、背割れをしっかり防止することができます。
 
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スジ押しは目立たない工程かもしれませんが、品質を保つためには非常に重要な加工です。
スバルグラフィックのスジ押し技術を活用することで、背割れを防ぎ、さらに美しい仕上がりの印刷物をお届けします。