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第4回:ユポを使った製本はムズかしい?成功のカギは紙目と折!

こんにちは!スバルグラフィック直販課のMIYUです😊
ユポの魅力を3回にわたってご紹介してきましたが……


「ユポって、パンフレットや冊子にも使えるの?」
「印刷や製本でうまく仕上がるのか不安…」
そんな声、実はたくさんいただいています👀✨

今回は、当社でもよくご依頼をいただく「ユポ冊子」について、
失敗しないための加工・製本のポイントを、実例つきでやさしく解説します!

ユポはとってもタフで便利な素材ですが、普通の紙とは違うクセがあり、
そのままの感覚で進めると、折れない・閉じない・くっつかない…など、
思わぬトラブルに直結することも⚠️

でも大丈夫!
この記事を読めば、「ユポなのにキレイに仕上がる冊子」の作り方がわかりますよ📘✨

📕ユポでもパンフレットはつくれる!

はい、できます。しっかりした設計と加工ノウハウがあれば、中綴じも無線綴じもOKなんです!
ただし、普通のコート紙やマット紙と同じ感覚では絶対にNG⚠️。
印刷・折り・綴じ、それぞれに素材特有のクセと制限があります。
特に相性がいいのは、ユポシリーズの中でも

”ニューユポFGS”

ユポシリーズの中でも、実はこの子が一番の万能タイプ✨
本文用としてもピッタリで、鉛筆でしっかり書ける筆記性の高さは、
アンケートや申込用紙付きの冊子などにも大活躍!

しかもそれだけじゃありません。
ニューユポFGSのストロングポイントは他にもたくさんあるんです👇

✅ 厚みのバリエーションが豊富!

  • 本文用の薄いグレードから、表紙用のしっかり厚手タイプまで幅広く対応!
  • たとえば…
用途 厚み 一般紙換算
本文用 0.06mm〜0.15mm コート紙の70kg〜160kg相当
表紙用 0.2mm〜0.3mm アートポストの180kg〜240kg相当

他のユポシリーズではここまでのラインナップはなく、
ニューユポFGSだけの強みといえます💪

✅ UVオフセット印刷とベストマッチ!

ニューユポFGSはUVオフセット印刷との相性がバツグン!

  • インキの定着性がよく、擦れ・裏移りのトラブルも激減!
  • 油性印刷だと起こりやすい乾燥不良や汚れも、UVなら安心。
  • 特に製本を伴う印刷物では、UV印刷一択!と言えるレベル。

👉 実際にスバルグラフィックでは、ユポ冊子のほぼ全案件を
「ニューユポFGS × UVオフセット印刷」で対応してるよ!

🚨これを知らずにユポ冊子を作ると…ほぼ失敗します!

― ユポ製本の“超重要3大ポイント”を最初にチェック! ―

ユポでパンフレットや冊子をつくるとき、
印刷だけうまくいっても、製本で“失敗続出”なんてことが本当に多いんです…!

とくにこれから紹介する3つのポイント。
このどちらかを間違えるだけで、仕上がりが波打つ、ページが開かない、糊が剥がれるなど、プロでも泣きたくなるようなトラブルに直結します。

でも、逆に言えば——
この3点さえきちんと押さえれば、ユポでも美しく、タフで、機能的な冊子がつくれます✨

ではさっそく、その“最重要3大ポイント”、見ていきましょう!👇


🧭ユポの「流れ目」は、一般紙とまったく違うので注意!

ここが一番の落とし穴です!

印刷業界では、「紙のサイズ表記」で流れ目(紙の繊維の方向)を判断するのが常識です。

📄 一般紙(例:OKトップコート)の場合

  • サイズが【788×1091mm】と表記されていたら
    788mm短辺から目が流れている(タテ目)

  • サイズが【1091×788mm】と表記されていたら
    1091mm長辺から目が流れている(ヨコ目)

これは印刷現場では昔からの“暗黙の了解”であり、製品ラベルにもこのルールで記載されています。

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🌀でもユポは真逆!しかも「流れ目」は1種類のみ

ユポ(例:ニューユポFGS)のラベルにも「788×1091」と表記されていますが……

💥 これは「ヨコ目」=長辺から目が流れて短辺と垂直の流れ目状態です。

つまり、一般紙でいう「タテ目」と思って使うと、完全に逆目になってしまうのです。
📌 ユポには一般紙でいう「タテ目(T目)」のラインナップが存在しません!
👉 「ヨコ目(Y目)」=1091mm長辺から目が流れる状態、この1種類のみです。

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⚠️だからとにかく、表記をうのみにしない!

例えば、下記のような用紙表記でも:

用紙名 サイ(四六判) 厚み 実際の流れ目

OKトップコート+ 110kg

788×1091㎜

0.10㎜

タテ目(788と垂直)

ニューユポFGS#110

788×1091㎜

0.11㎜

ヨコ目(1091と垂直) ←⚠️要注意!

👉 つまり、同じ「四六判」でも、
普通紙(OKトップコート)=T目でもユポ=Y目 なんです!

📌 ユポの“Y目”=普通紙の“ヨコ目”という理解が必要!
しかも、ユポはこのY目の1種類しか存在しません。

📉逆目で製本するとどうなる?

流れ目に逆らって折ったり綴じたりすると…

  •  ❌ 折ズレが発生したり
  • ❌ 仕上がりが波打つことがあったり
  • ❌ 折り目が背割れしてしまったり
  • ❌ 冊子が自然に開いてしまう
  • ❌ ユポの反発力で糊が密着せず、製本不良が起きる

というような、致命的なトラブルにつながります⚠

 
📏たとえばB5冊子を作る場合…

通常のユポ(四六判 788×1091)は「Y目」=B5天地に対して横方向の流れ目。
そのため、B5仕上がりサイズでは逆目になってしまうんです。

✅そんなときは「四六半裁判(546×788)」という、特別なサイズのユポを選びましょう!

このサイズは、B5仕上がりに対して“タテ目(T目)”になるよう設計されており、
B5冊子でも正しい流れ目で美しく製本できます✨

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🚫ユポと一般紙は“混ぜるなキケン”!
製本トラブルの元に…

ユポで冊子を作るとき、「表紙は一般紙、本文はユポ」という構成は一見便利そうに見えますが、これは製本現場ではNGパターンとして知られています⚠️

当社でも過去に実際トラブルがありました。完成直後は大丈夫そうに見えても、時間が経つと本文と表紙がぽろぽろと剥がれてしまうという事態に……💥

その理由は以下の通りです:

❌ユポと一般紙を混ぜてはいけない理由

🧪 インキの相性が悪い

一般紙の油性インキ成分が、ユポに転写・干渉し、想定外の剥がれや糊浮きを引き起こします。

🧴 接着力が弱くなる

糊(特にEVA糊)での密着性が、一般紙 × ユポの異素材同士では非常に不安定になります。

📌よくある失敗例:

「本文はニューユポFGS、表紙はアートポスト」という組み合わせ
→ これ、くっつかない&剥がれる可能性大!

 

ユポの冊子をつくるときは、ユポ同士で仕上げるのが鉄則!

  • 表紙も本文も、すべて同一グレード or ユポ素材内で統一すること。

  • 表紙に使う場合は、ニューユポFGSの厚手タイプ(例:0.25mm~0.3mm)を使えば、しっかり感・高級感も演出できますよ✨

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🔖折り加工:ユポ冊子は「8P折限定」が基本!

ユポはとってもタフな素材💪
だからこそ、折り加工にはちょっとクセがあります。

  • ✅ 基本は「8ページ折り」!
  • ❌ それ以上(16P・32Pなど)に折ると空気が抜けず、パンパンに膨らんでしまいます💨
  •  📏 特に32P折りはNG! → 現場では製本不良が起きやすいため、実質「不可能」と考えてOKです。

💡じゃあ、たとえば32ページの冊子を作りたいときは?

📚 当社では「8P折×4台折り」で対応しています!

  • 「16P折り」にすると、反発が強すぎてページが自然に開いてしまったり、見開きが落ち着かないトラブルが多発⚠️
  • 一方で「8P折り」なら、反発も収まりやすく、しっかりとした仕上がりになります✨

結論:ユポ製本、3つの鉄則!

  1. ページを欲張らず、こまめに折る!

    → 基本は8P折。反発を抑えて、美しく仕上げるコツです。

  2. 流れ目を間違えると、すべて台無し!

    → 間違った流れ目では反発・ズレ・剥がれが発生。
    必ず正しい目方向を確認!

  3. ユポと一般紙を混ぜて製本しない!

    → 異素材同士は糊が効かず、製本トラブルの元。
    ユポ同士でまとめるのが鉄則!

📘 この3つを守るだけで、ユポ冊子の成功率はグッと向上します✨

特殊紙でも、正しい設計・正しい材料選定ができれば、確かな品質が手に入ります!


🧵 製本タイプごとのポイントまとめ

📌 中綴じ(ホッチキス留め)

ユポでの中綴じ、実はとっても相性バッチリ✨でも、ちょっとしたコツをおさえるだけで、仕上がりの完成度がグッと上がるんです!

  • ✅ 実績ベースで 最大48ページ程度まで対応可能!
  •  📐 ただし、用紙の厚みによってはページ数に制限が出ることもあるので注意が必要です。
  • 🌀 折り加工は 「8ページ折り」が基本!

ユポは反発力が強いので、これ以上のページを一気に折ろうとすると…
📌 空気が抜けずパンッと膨らんでしまうことも💦

→ 重しをのせて一晩寝かせる工程が大切です!

🛠️ カスタマイズPOINT:ステンレス針金で「防水冊子」に!

通常の中綴じは鉄製ホッチキス(Stitch)ですが、針金を「ステンレス製」に変更することで、水に強い“完全防水仕様”の冊子ができちゃいます☔✨

  • ✅ アウトドア系カタログ
  • ✅ 工場や現場で使う安全マニュアル
  • ✅ 医療現場や水まわりで使う冊子

など、「濡れる環境でも長く使いたい!」というシーンにおすすめ!

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📚無線綴じ(EVA糊)もOK!でも段取りが命

ユポで無線綴じ?
できます!でも、糊の選択がめちゃくちゃ重要なんです⚠️

スバルグラフィックでは、EVA(ホットメルト)糊を使用して、ユポ冊子の無線綴じを行っています✨
この糊はユポの特性と相性がよく、やわらかくて、しっかり接着してくれる万能糊なんです!

🚫 PUR糊はユポと相性NG! → 当社では基本、採用していません!(理由はこのあと説明するね)

📌 無線綴じ製本で大事な設計ポイントはここ👇

  • 🔄 基本は8P折りを単位に設計すること!
  • ✅ 16P折りまでならOK!でも空気がたまってしまうので…
  • 📌 1日以上、重しをのせて寝かせる工程がマスト!
  • ❌ 32P折りはNG!空気が抜けず、膨らみすぎて製本トラブルになります…

💡ユポの反発力や空気の抜けにくさを考えて、ページ数・面付・製本設計を前工程からしっかり考えることが「ユポ成功のカギ🔑」だよ!

❌ PUR無線綴じはNG!その理由とは?

「え、でもPUR糊って高性能なんじゃないの?」と思われがちですが、ユポとの組み合わせには向いてません!😢

 

その理由は…❗PUR糊の特徴:

  • 固まるととても硬くなる(=強く、しっかりした接着力)
  • コート紙やマット紙など、しなやかな紙には相性バツグン

…なんだけど!

💥ユポとは相性が悪いんです

ユポ自体がもともと反発力が強くて、硬めの用紙。そこに硬いPUR糊を使ってしまうと…

  • 📉 開きが悪い
  • 💔 接着面で割れ・浮きが起こる
  • 🔧 製本後にバラけやすくなる

というトラブルが起きがちなんです…。

スバルグラフィックでも、実際にテストを繰り返しましたが、
「これは納品できない…😓」というクオリティになることもあり、いまでは完全にEVA糊一択!

✔ EVA糊のやわらかさが、ユポの性質とベストマッチ!
✔ 無線綴じ=EVA糊が当社のスタンダードになっています!

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✅まとめ:ユポ冊子づくりは“設計力”が命!

ユポは、水や破れに強いだけじゃない!
印刷も製本も、しっかりとした段取りと設計があれば、美しく・タフな冊子をつくることができます✨

📌 ポイントをもう一度おさらい:

  • 流れ目(Y目)選定は絶対にミスできない!
  • 8P折が基本!ページ数が多い場合は分割設計!
  • 中綴じも無線綴じもOKだけど、針や糊の選定が超重要!
  • ユポと一般紙を混ぜて製本しない、ユポはユポ同士で製本!
  • ユポ×UV印刷が鉄板の組み合わせ!

このように、「ユポだから無理…」と思われがちな冊子制作も、
お約束を守ることで、確かなクオリティに仕上げることができるんです。

📢次回予告:ユポで「+α」の価値を!

MIYUが提案する、差をつけるユニークな使い方✨「印刷できる」「製本できる」だけじゃない!ユポの真の魅力は、“そこから先”にこそあるんです!

次回のブログでは、
ユポの高耐久・高機能という特性を活かした「+αの価値のつくり方」について、MIYUが熱く語ります🔥
たとえば…

  • 💎 _「高級感 × 耐水性」_でプレミアム感を演出!
  • 📉 耐久性アップ=差し替え頻度の減少でコスト削減?
  • 🦻 「ユニバーサルデザイン」対応パンフで、誰にでもやさしい広報物に!
  • ☔ 完全防水マニュアルや現場ツールで、“現場ファースト”な印刷物が実現

などなど、これまでとは一味ちがう、ユポで「おっ!」と言わせる活用術を徹底解説!

スバルグラフィックが実際に取り組んでいる

「Uni-Voice加工」との連携や、防水+音声連動パンフなど、ちょっと未来志向の提案もお届け予定🎧📘

表面加工、折り、断裁、製本など、気をつけたいポイントをMIYUがわかりやすくまとめますので、お楽しみに〜!